■喘息の治療について
近年になり喘息(ぜんそく)の治療法は大きく変化しています。喘息治療の進歩により、大部分の喘息患者さんで、喘息はコントロールできるようになってきました。昔は喘息では空気の通り道である気管支が刺激に対し過敏な反応を示して狭くなると考えられていました。今では喘息は特殊なタイプの気管支炎の一種だと考えられるようになりました。このため喘息では従来気管支を拡げる薬が中心に用いられていましたが、今では喘息の治療は炎症をおさえる薬が中心になっています。
喘息では、
なぜ息をするのが苦しくなるのでしょうか。喘息の気管支はちょうど軽い火傷(やけど)をしたものと考えて下さい。火傷をした皮膚は赤くなり腫れてさわるとピリピリしますね。これと同じで喘息の気管支は赤くなりはれています。このため、喘息の気管支は色々な刺激に対して過敏になり普通ではどうもないような刺激で気管支が縮まってしまいます。このため空気の通りが悪くなり、喘息の症状として呼吸が苦しくなる、ヒューヒュー・ゼーゼー音がする、咳が止まらない、息切れがするようになるなどの症状が起こります。
よく間違われていることは、喘息は
喘息の発作が出た時だけ治療すればよいと思われていることです。子供さんの喘息は成長とともに治ることがありますが、大人で発症した喘息は自然に治ることはあまりありません。このため長期的な治療が必要となってきます。喘息の発作を治療するのではなくて喘息の発作を出さないように予防することが大切です。喘息の発作が起こっていない時でも気管支には炎症が残っており、風邪やストレス、天候など様々な原因で喘息の発作を起こし
喘息の悪化をきたします。軽症の方を除いては喘息の治療は継続して行うことが必要となります。
喘息は現在吸入薬が中心となっています。このために全身的な薬の副作用をほとんど心配しなくてすまなくなった反面、
吸入がうまくできないと、充分に喘息の治療の効果が出ません。当院では充分な吸入指導を行い、しっかりとした喘息の治療効果がでるように努めています。また喘息の患者さんには職場の状況、ペットの飼育など生活の状態を聞き、アレルギーの検査を行い、喘息の治療に役立てています。
喘息の治療の中心は現在
吸入ステロイドです。ステロイドというと副作用という文字が頭に浮かぶかもしれません。確かにステロイドは副作用がありますが、喘息では気管支の炎症さえ抑えればよいのですから、喘息を治療する場合には吸入薬という形で用います。全身的なステロイド投与とは異なり、吸入ステロイドは気管支にのみ作用します。また吸収されたステロイドも大部分は全身にまわる前に肝臓で分解されてしまいます。このため喘息で用いる吸入ステロイドは全身的なほとんど副作用はありません。しかしまだまだ吸入ステロイドに関しては誤解があり、喘息治療に際しての吸入ステロイド剤も今一歩のところがあります。数々の研究ではまだまだ喘息のコントロールはうまくいっていないことを示しています。また吸入ステロイドで喘息治療を行っているにも関わらず
不十分な喘息のコントロールしか出来ていない患者さんも多々見受けられます。
医学は進歩し続けています。いつか喘息の治療ももっと簡易で長期的に治ってしまうような治療方法が出現することを願っています。