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日本の喘息事情(3)
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■日本の喘息事情(3)

 (2)の続きです。さて、喘息で学校や会社を休んでいるにもかかわらず、自分の喘息のコントロールが完全もしくは良く出来ていると回答したのは、最重症の人でも成人で32%、小児で35%と高値でした。このことは、重症の喘息患者においては、喘息のコントロールの自己評価と客観的な重症度には違いが見られ、重症な人ほど自分の症状を軽症と判断しているものと思われます。不思議なことですが、人間はどんな状態にでも慣れてしまいます。喘息の発作が出ている状態がずっと続くとそれが当たり前のようになり、不満とは思わないようになるのではないかと推察されます。このことは、適切な治療が行なわれなくて悪いコントロールでも、満足あるいは我慢してしまうようになってしまうと考えられます。非常に残念でもあり危険です。喘息は治せないかもしれませんがコントロールできる病気です。もし毎日朝方に喘息の発作が起こっていたり胸が重たければ十分なコントロールが出来ていない証拠ですので、一度は呼吸器科やアレルギー科を受診してください。
 治療についてですが、吸入ステロイドの使用率は低く、成人で12%、小児で5%でした。吸入ステロイドは現在、喘息の治療においては中心的な役割を果たす薬であり、これなくしては喘息の治療は難しくなります。この調査では、著者らは吸入ステロイドの使用率が低い理由を、@吸入ステロイドの安全性への懸念から慎重に投薬されていること、Aテオフィリンは色々な剤形(錠剤、ドライシロップなど)があり、RTC療法がよく用いられること、B吸入療法が日本ではあまり馴染みがないことを挙げています。吸入ステロイドが身長に与える影響についてはすでに書いた通りで(小児喘息の「吸入ステロイドの長期使用による身長への影響」を参照下さい)、最終身長に影響はないという結果が出ています。また、吸入ステロイドは、喘息死を減らし、入院や欠席を予防するとの報告も多く、小児科領域でも吸入ステロイドがもっと使われてもよいのではないでしょうか。既にガイドラインも出来ており、標準的な治療が確立している現在では、吸入ステロイドをより広く使い、ピークフローメーターを活用し、喘息のコントロールをより良く行なうことが必要です。そのためには、医師、患者、家族への喘息に対する正しい知識の普及が必要、と著者らは述べています。

(出典 アレルギー 51(5). P.411 - 420 2002年)


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